炭素の単体のうち、常温・常圧で最も安定な構造であるグラファイト(graphite)(別名:黒鉛、石墨)。鉛筆の芯などに使われる。
炭素が、共有結合で六角形の網の目状に並んだ層が重なった構造をしている。層内の炭素間の結合力(共有結合)は強く、その距離は1.42オングストロームである。一方、層間は3.36オングストロームで、層間は結び付く力(ファンデルワールス力(教科書P37)が弱くて滑りやすいく、層と平行な方向には金属に近い導電性がある。
その構造のため、潤滑性、導電性、耐熱性、耐酸耐アルカリ性が高い。
層間が極めて滑りやすく、耐熱性が高く酸やアルカリにも強い事から、そのまま、あるいは液体の潤滑剤に添加して潤滑剤として使用される。
電気を通すため、乾電池の内部などに使われる。また新幹線のパンタグラフやモーターのブラシなどの電極にも使われる。
中性子をほとんど吸収せず、減速するため原子炉の減速材として使われる。(チェルノブイリの原子炉が有名)
鉛筆代わりに紙に書いてみよう。
抜き差ししにくい鍵のギザギザの部分にグラファイトを塗って鍵穴に抜き差しすると、キーの出し入れがとても楽になるよ。